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住宅完成保証契約約款

住宅保証機構株式会社(以下「機構」という。)は、発注者及び請負者との間に締結された保証書記載の工事請負契約(以下「主契約」という。)に関し、請負者が倒産等その責めに帰すべき事由により住宅の工事を継続できなくなったと機構が認める場合(以下「保証事故」という。)に、発注者に対し保証書及びこの約款の規定するところにより、以下の保証を行います。

用語の定義

第1条
本保証約款において、次の各号に掲げる用語は、それぞれ各号の定義に従います。

(1)
前払金
保証委託者に支払済みの自己資金及び機構が承認する金融機関等の融資制度に基づく融資金をいいます。
(2)
代替履行業者
発注者が主契約に基づく請負者の権利義務を継承する第三者をいいます。
(3)
主債務
主契約に基づく保証委託者の債務をいいます。
(4)
再契約代金
主契約と同一の内容で新たに完成させるのに必要として機構が認めた金額をいいます。
(5)
重複保証契約
保証契約内容の一部または全部について、他の完成保証契約もしくは類似の保険契約を締結していることをいいます。

保証内容

第2条
保証事故において、機構は、保証書の内容に基づき、工事が継続できなくなったことにより生ずる次の各号に規定する損害について、第7条に規定する範囲で、発注者に保証金の額を支払います。ただし、第8項の場合を除きます。また、発注者が代替履行業者のあっせんを希望する場合は、機構が当該業者をあっせんします。

(1)
増嵩工事費用
当該工事の再契約代金と当該工事の未完成部分に相当すると機構が認めた請負代金相当額との差額。ただし、再契約代金額には次のイ及びロの金額は含まれません。
イ.
再契約代金を確定するまでに発注者の責めに帰すべき事由によって建設工事の目的物及び建設工事材料に生じた損害の回復に要する金額
ロ.
主契約締結時において一般的に予知することのできない事由に基づく経済事情の著しい変動による増価額
(2)
前払金損害
前払金のうち保証委託者が返還すべき金員がある場合の返還債務不履行により発注者が被る損害。
2
第1項の規定に基づき代替履行業者が主債務を履行する場合には、機構は、第7条に規定する保証金の範囲で代替履行業者に支払うものとします。
3
保証事故発生の有無は、機構の判断によることとします。
4
機構が、第1項に従って保証金額を支払った場合、又は第2項に従って代替履行業者に保証金額を支払った場合、機構の保証債務は消滅します。また、機構は、発注者に保証金額を支払う場合は、発注者に代わり、主契約の解除権を行使することができます。

保証対象の範囲

第3条
保証対象の範囲は、発注者と請負者との間に交わした主契約の内容とします。

2
機構は、次の各号を保証の対象としません。
(1)
請負者の工事遅延損害金支払債務
(2)
機構に届けのない約定等により加重された請負者の債務
(3)
請負者が主契約の工事の施工のため発注者以外の者と締結した工事下請負、資材購入、雇用その他一切の契約及びこれらの契約から生じる一切の債務
(4)
出来形部分につき保証事故発生時に明らかでない瑕疵に係る損害
3
主契約締結後に発生した主契約の変更、追加等については、契約当事者の通知に基づき機構が承認した場合にのみ保証の対象となります。

保証期間

第4条
この約款に規定する機構の保証期間は、機構が保証を適当と認めて、当該住宅の工事に関して当初予定されていた工期(以下「工期」という。)のうち保証書を発行した日から、工期の最終日までの期間とします。

2
機構は、保証事故に該当する事実が保証期間中に発生した場合にのみ、保証します。
3
機構が保証書を発行した日から、保証期間末日の7ヶ月後の応答日(応答日がない場合は暦日で前日とする。)まで(以下「保証責任期間」という。)に発注者から第13条第1項に定める書面により保証債務の履行の請求を受けなかった場合は、保証債務は、消滅するものとします。

工期の変更

第5条
発注者は、工期の変更をしようとするときは、事前に、遅滞なく、機構に通知するものとします。

2
機構が第1項の通知を受け、これを承認したとき、保証期間は、工期の変更に応じて変更されたものとみなします。

保証書の交付

第6条
機構は、保証書を請負者を通じ、発注者に交付します。

2
次の各号に該当する保証書は無効とします。ただし機構の責に帰すべき事由による場合はこの限りではありません。
(1)
保証書記載事項の全部または一部の記入をせずに交付された保証書
(2)
保証書記載事項の全部または一部が手書きの保証書
(3)
保証書記載事項に改竄または訂正のある保証書
(4)
写しによる保証書
(5)
印紙税法による所定の印紙の貼付及び機構の捺印のない保証書

保証金の範囲

第7条
機構が第2条の規定により発注者または代替履行業者に支払う保証金の額は、その金額が保証書記載の保証限度額を超えるときは、当該記載金額を限度とします。

2
発注者が、請負者から、違約金、損害賠償金等の名目いかんを問わず、金銭等の授受を受けているときは、保証金の額からそれらの金額を控除します。

保証債務を履行しない場合

第8条
機構は、次の各号に該当する場合、保証債務の履行をいたしません。もしくは保証債務を履行した後、発注者に対し損害賠償を請求します。

(1)
発注者が機構に提出する書類等において機構が重要と認める事実に不実の記載を行った場合
(2)
発注者が機構に損害を与える行為を行った場合
(3)
発注者の責めに帰すべき事由により工事継続が著しく困難となった場合
(4)
第11条第4項に該当する場合
(5)
第14条第2項に該当する場合
2
発注者は、保証書記載事項が主契約の内容と異なることを発見した場合は、保証事故発生の前後を問わず、すみやかに訂正の申し出を行わなければなりません。
3
発注者が第2項の申し出を行わない場合において、その告げざる事実が当該工事に関して機構の保証金支払義務の発生に重大なる影響を及ぼすと機構が判断する場合には、機構は保証債務の履行をいたしません。この場合において、機構がすでに保証債務を履行しているときは、発注者に対し損害賠償を請求することができます。
4
第3項の規定は、次の各号の場合には適用しません。
(1)
機構が保証契約締結の当時、異なる事実を知りまたは重過失によりこれを知らなかったとき。
(2)
主契約当事者の何れかが、保証事故の発生を知る前に保証書の記載事項につき、書面をもって更正を機構に申し出て、機構がこれを承認したとき(この場合機構が承認するのは、保証契約締結の当時、発注者が更正すべき事実を機構に告げても、機構が保証契約を締結していたと認めるときに限るものとします。)

戦争・天災などの取り扱い

第9条
次の各号に該当する場合は、請負者の責めに帰すべき工事継続不能とはみなされず、保証事故とはいたしません。

(1)
戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動に基づく社会的もしくは経済的混乱によって工事継続が不能となった場合
(2)
地震、噴火、津波、洪水、高潮または台風に基づく社会的もしくは経済的混乱によって工事継続が不能となった場合
(3)
核燃料物質(使用済燃料を含みます。以下同様とします。)もしくは核燃料物質によって汚染された物(原子核分裂生成物を含みます。)の放射性、爆発性その他の有害な特性の作用またはこれらの特性に起因する事故に基づく社会的もしくは経済的混乱によって工事継続が不能となった場合

保証債務の消滅

第10条
機構が保証債務を履行したときのほか、次の各号に該当するときは、機構の保証債務は消滅します。

(1)
第4条第3項に該当するとき。
(2)
主債務の不履行に基づき、機構の保証債務に相当または、上回ると機構が認める損害賠償を請負者が履行したとき。
(3)
主契約の解除等により発注者が当事者でなくなったとき。ただし第2条第4項の規定により機構が解除権を行使する場合はこの限りではありません。

通知義務

第11条
発注者は、この契約に定めるほか、次の各号の事実が発生したときは、遅滞なく、機構に通知するものとします。

(1)
保証契約内容の一部または全部について重複保証契約を締結しようとするとき、または、重複保証契約が他にあることを知ったとき。
(2)
工期の変更を知ったとき。
(3)
設計変更にともなう主契約の契約変更を行ったのを知ったとき。ただし、軽微な変更は除きます。
(4)
工事の全部または一部の施工の中止を知ったとき。
(5)
工事の工法の変更を知ったとき。
(6)
工事の目的物または工事用の資材もしくは機器の重大な損害の発生を知ったとき。
(7)
工事の施工にともない請負者が第三者に損害を及ぼし、または損害賠償請求を受けたことを知ったとき。
(8)
保証書の記載事項に重要な変更を加えようとするとき、または重要な変更が生じたことを知ったとき。
(9)
発注者が破産、民事再生、特別調停の申立てをし、もしくは破産、民事再生、特別調停の申立てをされたとき。
(10)
発注者の財産につき強制換価手続が開始され、もしくは仮差押命令が発せられ、または保全差押としての通知が発せられたことを知ったとき。
(11)
発注者が取引金融機関もしくは手形交換所の取引停止処分を受けたとき、またはその他支払の停止があったとき。
(12)
請負者の倒産等、住宅の工事が継続できなくなる請負者の責めに帰すべき事実が発生したことを知ったとき。
(13)
請負者につき、破産、民事再生、会社更生手続開始、会社整理開始、特別調停申請もしくは特別清算開始の申立てがあったことを知ったとき。
(14)
請負者の財産につき強制換価手続の開始、仮差押命令、または保全差押としての通知が発せられたことを知ったとき。
(15)
請負者が取引金融機関もしくは手形交換所の取引停止処分を受けたことを知ったとき、またはその他支払の停止があったことを知ったとき。
(16)
請負者の商号、名称もしくは代表者名または組織形態、住所が変更されたことを知ったとき、及び請負者が法人の場合には代表者が変更されたことを知ったとき。
(17)
請負者が中小企業基本法に定める中小企業者たる住宅建設業者でなくなったことを知ったとき。
(18)
請負者の所在が不明となったことを知ったとき。
(19)
請負者から請負代金債権の譲渡の通知を受けたとき。または、これを知ったとき。
(20)
その他保証金支払に重大な影響を及ぼすような行為または事実の発生を知ったとき。
2
発注者は、主契約を解除しようとするときは、遅滞なく、書面をもって機構に通知するものとします。
3
発注者は、機構が保証債務を履行するうえで必要となる場合を除き、次の各号の行為を承諾することはできません。ただし、事前に書面をもってその旨を機構に通知し、機構が書面をもって承認した場合はこの限りではありません。
(1)
請負者が発注者に対して有する債権を譲渡する行為
(2)
請負者が発注者に対して有する債権を他の債務のための担保権の目的とする行為
(3)
請負者が発注者に対して有する債権の請求及び受領の権限を機構以外の者に委任する行為
(4)
請負者が工事の目的物、検査済の工事材料(製造工場などに保管されている製品を含む。)または建築設備の機器等を第三者に譲渡し、もしくは貸与し、または抵当権その他の担保の目的に供する行為
4
機構は、発注者が正当な理由なく第1項から第3項までの通知義務を履行しない場合は、保証債務の履行を行いません。この場合において機構が発注者の通知義務の不履行を知らずに保証金を支払い、またはすでに保証金を支払っているときは、発注者に損害賠償を請求することができます。ただし、機構の負担する危険が増大しないと機構が認めたとき、機構が請負者から通知を受けたときまたは機構が通知を不要と認めるときは、この限りではありません。

保証契約の合意解除

第12条
発注者は、機構に事前の通知を行い、機構の承認を受けることによりこの保証契約を解除することができます。

2
機構は、発注者の承諾を得て、この保証契約を解除することができます。
3
本条の規定により保証契約が解除された場合、保証契約は成立の時点に遡って無効とします。

保証事故発生後の義務等

第13条
請負者の倒産等、住宅の工事が継続できなくなる請負者の責めに帰すべき事実が発生したときは、発注者は次の各号の事項を行わなければなりません。

(1)
遅滞なく機構に事実の発生を通知するとともに、機構が説明または証明を要求した事項については、すみやかに、かつ、誠実にその説明もしくは証明をすること。
(2)
保証事故発生の事実または損害額を確認するために、機構が発注者の帳簿その他の書類について行う調査に協力すること。
(3)
損害の防止軽減に努めること。
(4)
工事現場の保全を図ること。
(5)
請負者または第三者(保証人を含みます。)に求償することができる場合には、その権利の行使または保全について遅滞なく必要な手続きを行うこと。
2
保証事故が発生した場合機構は、工事の目的物、工事の目的物の所在する土地、検査済の工事材料(製造工場などに保管されている製品を含む。)または建築設備の機器等につき、単独で保全に必要な措置を取ることができます。
3
保証事故が発生した場合において、機構が発注者の求めに応じて代替履行業者のあっせんをし、当該代替履行業者について発注者が同意したときは、発注者は、主契約において請負者が有する一切の権利及び義務を当該業者に対し承継させることに同意しなければなりません。ただし次の各号に定めるものを除きます。
(1)
主契約に基づく請負代金債権のうち請負者に既に支払われた分
(2)
請負者が施工した工事に関して生じた発注者及び第三者への修補義務又は損害賠償義務
4
発注者が正当な理由がなく第1項及び第3項に違反したときは、第1項第1号もしくは第2号または第3項の場合にはすべての損害額について、第1項第3号ないし第5号の場合には防止・軽減することができたと認められる損害額もしくは機構が保証金を支払う責のないものと認めた部分について、機構は保証金を支払いません。各場合において、機構が発注者の違反を知らずに保証金を支払い、またはすでに保証金を支払っているときは、発注者に損害賠償を請求することができます。

保証債務履行の請求

第14条
発注者は、保証義務の履行を請求しようとするときは、機構が保証事故を認定した日から30日以内または機構が承認した猶予期間内に次の書類を保証書に添えて機構に提出しなければなりません。

(1)
代替履行請求書兼債権譲渡承諾書
(2)
工事請負契約書
(3)
請負者発行の金銭受領書
(4)
発注者の印鑑証明書及び住民票
(5)
その他機構が保証債務履行について必要と認める書類
2
機構は、発注者が正当な理由がなく第1項の手続をしない場合、または発注者が第1項の書類に故意に不実の記載をし、もしくはその書類もしくは証拠を偽造もしくは変造したときは、保証債務を履行しません。この場合において機構がこれらの事実を知らずに保証債務を履行し、またはすでに履行していたときは、発注者に損害賠償を請求することができます。

保証債務履行の時期

第15条
機構は、発注者から第14条に規定する書類一式の提出をもって保証債務履行の請求を受けた日の翌日から起算して30日以内に第2条に規定する保証債務の履行を開始します。ただし、この期間内に必要な協議及び調査を終えることができないときその他の特別の事由がある場合においては、この期間を延長し調査等を終了した後、遅滞なく保証債務の履行を開始します。

保証金の分担

第16条
機構は、保証金を支払う場合において、主債務につき重複保証契約が存在するときは、この保証契約の保証金額の全保証金額に対する割合により算出した金額を負担するものとします。

求償及び代位

第17条
機構は、保証債務を履行したときは、その支払った保証金の額を限度として、請負者に対して求償権を取得します。

2
機構は、第1項の求償権を行使するため、発注者の権利を害さない範囲内において、発注者が請負者に対して有する一切の権利を代位取得するものとします。また、発注者は機構の代位取得に関し必要な手続を取ります。

譲渡及び質入れの禁止

第18条
発注者は、機構の承認を得ないで、保証金の支払請求権を譲渡または質入れすることはできません。

調停及び裁定

第19条
機構の支払うべき保証金について、機構と発注者との間に争いが生じたときは、当事者双方は、書面をもって各1名の調停人を選定して、調停人の判断に委ねることができます。

2
第1項の調停人の間に意見の一致を見ないときは、各調停人が協議して選定する1名の裁定人にこれを裁定させることとします。
3
機構及び発注者は、各々その要した調停の費用(調停人に対する報酬を含む。)を負担し、裁定のために要した費用(裁定人に対する報酬を含む。)については、折半してこれを負担するものとします。

管轄裁判所

第20条
この保証契約に関する訴訟、和解及び調停については、機構の事務所または主契約に定める工事場所を管轄する裁判所を管轄裁判所とすることに同意します。

準拠法

第21条
この約款に規定のない事項については、日本国の法令に準拠するものとします。

(付則)発注者と機構との事前協議

本保証契約に関して、機構の保証責任について影響を及ぼす事態が生じた場合には、 発注者は、その都度機構と協議を行い、発注者は、機構の指示に従うものとします。